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きっかけは映画館
第8章 食事


「麻里絵ちゃん、ビール飲まないならさ、烏龍ハイとかチェイサーに頼んだら?」

「ビールあるからいいよ。」

「あんまり好きじゃないんでしょ?俺もらうから好きなの頼みなよ。」

「じゃあ緑茶ハイで…」


緑茶ハイが来たので、麻里絵ちゃんのビールを奪って飲む。
嫌だったのだろうか、麻里絵ちゃんの視線を感じた。


肘男に言われて緑茶ハイを頼んだ。俺が飲むからと大ジョッキを飲み始める。

肘男は気配りも出来るし普通の男、遠距離で失敗した話を聞いて、やっぱり裕司と遠距離は無理だと思った。

間接キス…なんて気にしてなかったけど、チラと見た肘男の喉で動く喉仏に何故か男の色気を感じた。

映画館でもそうだったが、この人、結構女馴れしてるな…と思った。
でも出会いがなくてサイトに頼るなんて…

何だか掴み所のない肘男のことが気になっている自分がいた。


煮付けも味が滲みてて美味しいし、次には「一人立ち」という謎の料理も注文している。

そろそろお腹も満たされてきたし、ここは後腐れなくバイバイする方向で…

そんな算段をしていた。


「肘男って転勤とかないの?」

さっきもらった名刺では、結構有名な商社マンのはずだ。
と、わかっていて聞く必要もない質問をしている私がいた。

「ああ、俺ね、本社採用なんだ。転勤は無い、だから地元に帰ることもないんだけどね。」

どうでもいい質問にも真面目に答えてくれた。

本当に出会いに飢えていただけで、でも、女馴れしてて、真面目な男なんだと分析していた。

って、ご飯食べたらバイバイなのよ?私…

お酒を飲んだせいで弛んできた気持ちを引き締めた。


「麻里絵ちゃんはどんな仕事なの?」

「これでバイバイの肘男に話す必要ないと思うんだけど。」

「へい、魚の一人立ち〜、今日は太刀魚です〜」

こんがりと焼けた太刀魚にスダチが添えられていて、
それに料理を持ってくるタイミングが絶妙で、
私の冷たい言葉に、ポカンと口を開けて間抜け顔の肘男に、ちょっと言い過ぎたかな…と躊躇していたところを上手い具合に場の空気が変わった。


「あ〜これも美味しそ〜、ヒジオ、早く食べよう?」

店員さんが下がる前に話しかけ、白けた雰囲気を誤魔化した。



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