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きっかけは映画館
第40章 日の出


海岸沿いの西湘バイパスも、空も海も、濃紺一色で、多分白波であろう波すら音しか聞こえない。

サービスエリアで再び休憩するも景色が楽しめるわけでもなかった。

あくまでも、麻里絵の休憩、冷えただろう体を珈琲で温めた。

ここから先の山道は、益々暗くなるだろう。

空が白み始める前には伊豆の中程まで行ってないと、温泉に浸かりながらの日の出に間に合わない。

麻里絵の脚のぷるぷるも少しは慣れたように思う。

メットを被せてまたバイクを走らせた。


神奈川を抜ける辺りは山あいのカーブ続きで、こんな山の中が海の側とは思えない状況。

何度も走ってる俺には日中の景色が浮かぶが、後ろに貼り付いている麻里絵にはただの暗闇だろう。

でも前回来た時とは明らかに違う。
互いを知った分、二人の距離も遠慮もなくなり、麻里絵は俺の背中にピッタリくっついてる。

腕も遠慮なく腹に回され、尻を挟みこむように麻里絵の内ももが押さえてくる。

って、ヤバい…考えたら反応しちまいそうだ。

そりゃ、毎日でも食べちゃいたいほど麻里絵は可愛いけど、そればっかと思われても…

それに一大イベントに向けて、真剣なところも見てもらいたい。


気を使うカーブ続きの道を抜けて、いよいよ熱海に入る。

信号待ちをしてると、トントンと優しく腹を叩かれた。

「ん?」

振り向いて二人分のメットを開ける。

「ここ、熱海?
あのテトラポット…」

「ああ、そうだよ。」

食事しながら、麻里絵が不機嫌になっていき、居もしない女の存在に拗ねて泣いたところだ。

「何だかずいぶん前のことに思える。」

「そうだね。」

麻里絵はキュッとしがみついて、俺の背中に頬を寄せている。

一目見たときから惚れて、手放したくなくて、ずっと押してすがった恋。

それも今日で終わりだ。


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