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きっかけは映画館
第11章 仕事
「先輩、商社廻りでもしませんか?」
「へ…」
「何も見ずに私達の頭に浮かぶものって、たかが知れてます。」
商社…
ヒジオが浮かんだ。
あいつ連絡先聞いといて、帰宅のあれっきり連絡ない。
まあ、なくていいんだけどね。
「あの…麻里絵先輩?聞いてます?」
「えっ?」
「取り敢えず交流のある××物産と△△商事にアポ取ってみたいんですけど…」
「ああ、じゃあ部長決裁が要るわね。ただジャンルを決めないといけないわね。」
ヒジオの事を考えていたら、優希ちゃんの話が飛んでたみたい。
しかも△△商事はヒジオのいる会社。
まあ、出会す訳ないか…
「じゃあ決裁文書、それで挙げときますね。」
ああ、また優希ちゃんの話が…
私は生返事で切り抜けた。
ヒジオ!!あんたのせいだからね!!
連絡取るつもりもないのに連絡来ないと腹がたつなんて、さっさとブロックしておけば良かったのに…
と先々後悔することになるのだ。