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きっかけは映画館
第12章 商談
「ようこそわが社へお越しくださいまして、○○デパート企画部の花形敏腕女性から、急を立っての商談のご依頼だと承っております。」
ヒジオめ、いきなりハードル高くしてきやがって…
隣で優希ちゃんの背筋がピンと伸びて緊張しているのが伝わる。
「こちらは、スイーツ部門の第二課長の立花と、
私、ソーシャルアドバイザーの土方と申します。」
「あっ…私、企画部第一企画課、間宮と」
「同じく、片桐と申します。」
「本日は、急なお願いをお受けいただきありがとうございます。」
「ソーシャル…アドバイザー…」
ヒジオの片仮名の部署名、改めて名刺交換したそれをマジマジと見る。
「はい、弊社は商品ジャンルごとに部署を分割しておりますので、お客様のニーズに合わせて部署間の橋渡しをしたり、お客様側に立ってお手伝いする総括部署を設けております。
今回のご依頼はスイーツ部門に絞られているということですが、企画が多岐に渡ると承っておりますので、私もご一緒させていただきます。」
ヒジオって、あんな感じのくせに、出来る男…だったんだ。
しかし、企画が多岐に渡るなんてイヤミだなぁ。