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第14章 謎のツケ

ｷﾞｬｱｱｯ…

麻里絵ちゃんの悲鳴が聞こえて、そこから無言が続いて、申し訳なさそうな麻里絵ちゃんが、こっちにやって来た。

フレンチトーストと、目玉焼きとベーコンにサラダ…
喫茶店のモーニングみたいで美味そうだ。

サラダと目玉焼き、ベーコンが大きなお皿に置かれて、真ん中にフレンチトーストの山の皿が置かれた。

フレンチトーストはそこから取って食べるみたいだ。

「美味しそう、いただきます。」

フレンチトーストにフォークを伸ばすと…

「ちょっと待ったぁ…
あのね、焦がしちゃって、凄く焦げてるのと、そうでもないのがあって。」

「皆大丈夫そうじゃん。」

「裏っ側が…ひどいの…
だから、ロシアンルーレット…」

「分かった。じゃあこれいく。」

裏側を麻里絵ちゃんに見せて、ｺｸｺｸ頷くので頬張る。ハズレで頷いたのか当たりなのかはわからないけど…

麻里絵ちゃんの手料理ってだけで蜂蜜より甘いんだ。




「うん、普通に美味しいよ？当たりだ。」

麻里絵ちゃんはホッとして自分も食べ始める。

サラダも目玉焼きも何もかも美味しい。
でも俺は気付いちゃったんだ。

麻里絵ちゃんは、裏側を見せずに食べてるけど、酷いやつばっか自分の方に置いてあることを…

だから、ｺｸｺｸ頷くやつを蜂蜜を掛けて、麻里絵ちゃんの口に運んだ。

「えっ…」

「これハズレでしょう。麻里絵ちゃん食べて？」

麻里絵ちゃんは首を傾げながらもﾊﾟｸｯと食べた。

「ヒジオ？」

俺はその隙に山を崩しながら、皿を回した。

「ロシアンルーレットになってない。」

麻里絵ちゃんは困ったような顔をしながら笑ったんだ。

「俺はフェアな勝負しかしない。
ハズレも当たりも麻里絵ちゃんと一緒に食べることに意味があるんだから…」