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50センチの距離
第19章 アメリカンレモネードークリスマスカクテルー
写真を受信しながら、携帯を握ってドキドキする。

「ねぇ、野田さん。」

「ハイ?」

「ショウさん…マスターのこと、どう思う?」

「へ?」

「ショウさんはさー。私にとってはお兄ちゃんみたいな人なのね。製菓学校出て、初めて就職した先の先輩で。仕事のこととか、色々教えてもらったり。」

「そうなんですか…」

「ショウさん面倒見がいいから、後輩とかほっとけないのね。男ばっかり三人兄弟の真ん中って言ってたし。お兄ちゃんと弟がいるから、人と程よい距離取るのが上手くて、先輩にも可愛がられるし、後輩の面倒はよく見てくれる人かな。」

私はコクコクと頷いた。

「ショウさんのこと、嫌いじゃないでしょ?」

「えっ⁉︎」

一気に顔が熱くなる。

「私がこんなこと言うと怒られるかもだけど、ショウさんは、野田さんに気があると思う。」

「…そんな…」

「コレでも付き合い長いの。私はショウさんのこと、ちょっとは知ってるつもり。ショウさん、他のお客さんに対する態度と、野田さんに対する態度、ちょっと違うんだもん。」

どんどん瞬きが早くなる。

「…駅、ついたよ?」

車が停まり、運転席からコウスケさんが後ろを向いた。
里見さんに続いて車から降り、お礼を言って別れた。私が駅の階段を昇るとき、助手席に乗り直す里見さんの姿が見えた。
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