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50センチの距離
第19章 アメリカンレモネードークリスマスカクテルー
「…したら? 私は、涼子サンとのこと、ゼロじゃないと思うな…」

「いや、もう引きずってはいないだろ。だって3年以上経つぞ?俺らが付き合う前にもう別れてたんだから。」

「…涼子サンに未練があるとは思ってないよ。だけど、裏切られたことがトラウマになってないとは限らないじゃん。やっぱ、次もそうなったらどうしようって、二の足踏んじゃうこともあると思う…」

「まぁ、な…俺はどっちかっていうと年の差のが気になるけどな。野田さん結構若そうだし。」

「…確かに…てかあのコ幾つなんだろ…」

「20代、半ば?」

「下手したら前半の可能性あるね…んー…若いなァ…両方の理由だとしたら…」

「俺なら踏み込めないな…だから、余計なことしない方がショウの為だと思う。」

車がマンションの駐車場に着き、コウスケは車を駐めてサイドブレーキを引いた。

私は溜息をついて車を降りた。
ふと空を仰ぐと、暗い中に薄っすらと光る星。
空気の綺麗な田舎なら、きっと降り注ぐような満天の星空ってヤツなんだろうけど。空気の淀んだ街中じゃ、これが精一杯、か…
…それでも。消えそうな微かな光に向かって、ショウさんの幸せを願わずにはいられない。
仕事で世話になっただけの恩じゃない。
私たちを引き合わせてくれて、ケンカした時も呆れながらもちゃんと仲裁してくれて。ショウさんが居なかったら今の私は居ないなー、と思える、私にとって大事な人だから…



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