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第38章 ホタルイカのペペロンチーノ

「ジャーン！」

大荷物の正体は、PCバッグと、どデカイクッションだった。

「なんだそれ？」

「ベッドの上でPCが使えるボード付きクッション！」

豆型のプラスチックの板が付いたクッションで、膝の上に置くと柔らかいクッションが脚に沿うからPCは安定する、というものらしい。天板は滑り止め素材でPCも滑らないし、ベッドの上で軽く飲み食いするのにカップや皿を置いてもOK、てことらしい。

「へー。そんなんあるんだな。で、PCで何すんの？DVDとかならTVで観れるだろ。仕事持ち帰ってるとか？」

「…ん？いや、流石に資料は持ってきてないよ。会社のシステムソフトは自分のPCには入ってないし…社内メディアも持ち出し禁止だし。出張以外で持ち出して紛失したりしたら始末書モンだから。でも、プレゼンの資料作る下準備くらいなら自分のPCでできる。飽きたら動画も見れるし〜。これで退屈しな〜い。Wi-Fiのパスワード教えてくれる？」

「…TVボードの下にルーター入ってるから自分で見て。」

「了解！」

「パスタはどうする？いつくらいに食べたい？」

「ん〜。じゃあ今から頂こうかな？お客さんくる前に上に上がっちゃいたいし。」

「OK」

今から湯を沸かして、パスタを茹でて仕上げるのに15分くらいか…仕上がって食べてる間に6時は過ぎるだろうけど、開店待ちみたいな客もいないし、いつも7時過ぎからパラパラ入り始める感じ。ゆっくり食べても充分人目につかずに上に上がれる。