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50センチの距離
第41章 冷やし中華
全体的にくすんだピンクやオレンジ、オフホワイトを基調にした、落ち着いた色合いの部屋だった。
全体的に黒っぽい俺の部屋とは対照的。
キョロキョロと見回す俺に、

「…そんなに珍しい…?」」

「や、色合いとかがチカの部屋っぽいなぁ、と思って。」

「そう?」

「派手すぎず地味すぎず。」

「中途半端ってこと?」

「そんなこと言ってないよ。落ち着いた感じでいいんじゃない。目が痛くなるような原色じゃなくて良かった。」

「ホントは、白を基調にして、赤を差し色にしよう、と思ったんだけどね…そうするとカーテンは赤か、白か、って悩んで、ピンクにしたら、なんだかもうどうでもよくなって。こんな感じになりました…」

「ん…ありがちだな。俺は真っ白と赤ばっかよりこっちのが落ち着けそうだと思うけど。ま、そんなことよりエアコンだ。」

「 はい!」

エアコンはベッドの横の壁に付いてたから、ベッドに登れば難なく届く。ベッドカバーを引っぺがして一旦ベッドの上で布団を畳んで足元へ寄せる。そのまま

「このカバー、あとで洗濯することにして汚れても大丈夫か?」

「うん、大丈夫。」

チカの許可を得て、ベッドカバーをベッドのマットレスに直接敷いた。バッグを開け、ウチから持ってきた掃除用具、業務用アルコールスプレーとキッチンダスターを取り出した。

キッチンダスターは不織布で、何回か洗って使うけど、ヘタってきたらシンクやガス台を拭いて捨てる。
アルコールスプレーはカウンターを拭くのに使う。
エアコンを拭くのに使用済みのダスターを数枚持ってきた。
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