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50センチの距離
第45章 インスタントコーヒー
「せめて、ドリップコーヒーにしないと…かなぁ…って」
「…別に改まった客じゃないんだから…」
「…高塚さん、インスタントなんて飲むの?」
「…俺をなんだと思ってんの。」
苦笑した俺に、チカは、
「だって…高塚さんのとこでインスタントなんてあり得ないでしょ」
インスタントコーヒーのボトルの蓋を開けたり閉めたり弄びながらポソポソと呟く。
「俺ンとこは店だもん。そりゃ金取ってインスタントは出せんよ。けどインスタントが悪いなんて思ってないよ。」
「そう、なの?」
「ドリップなら美味いってもんでもない。豆の種類だけじゃなく、炒り方挽き方保存方法で風味は全然変わってくる。寧ろ、時間経って香りの飛んだコーヒーなら、インスタントの方が美味いと思うよ。」
「そう、なの?」
「だって。インスタントは、コーヒーメーカーの、謂わばプロが、手軽にコーヒーの味を楽しめるように開発した技術の粋の結晶だろ。拘って落としたドリップコーヒーには敵わないかも知れんけど、だからって不味いわけでも悪いわけでもない。面白いの見してやる。」
「…別に改まった客じゃないんだから…」
「…高塚さん、インスタントなんて飲むの?」
「…俺をなんだと思ってんの。」
苦笑した俺に、チカは、
「だって…高塚さんのとこでインスタントなんてあり得ないでしょ」
インスタントコーヒーのボトルの蓋を開けたり閉めたり弄びながらポソポソと呟く。
「俺ンとこは店だもん。そりゃ金取ってインスタントは出せんよ。けどインスタントが悪いなんて思ってないよ。」
「そう、なの?」
「ドリップなら美味いってもんでもない。豆の種類だけじゃなく、炒り方挽き方保存方法で風味は全然変わってくる。寧ろ、時間経って香りの飛んだコーヒーなら、インスタントの方が美味いと思うよ。」
「そう、なの?」
「だって。インスタントは、コーヒーメーカーの、謂わばプロが、手軽にコーヒーの味を楽しめるように開発した技術の粋の結晶だろ。拘って落としたドリップコーヒーには敵わないかも知れんけど、だからって不味いわけでも悪いわけでもない。面白いの見してやる。」