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50センチの距離
第45章 インスタントコーヒー
電車に乗ってチカの部屋へ。途中里見の店に寄り、手土産のケーキを買って行く。レジ前にチーズクラッカーがあって、あんまり甘くなさそうだったからそれも一緒に買った。

マンションに着き、もうしっかり覚えた部屋番号と、インターフォンのボタンを押す。

はーい、という応答の声のすぐ後に、エントランスのオートロックが開いた。

エレベーターで部屋まで行き、再びインターフォンを押す。

「いらっしゃい。」

「コレ、おやつのケーキ。」

「わぁ!ありがとう!お茶淹れるね!」

靴を脱いで部屋に上がる。
俺はすぐにリビングというか、寝室兼のブースに行って座り、ベッドにもたれて寛いだ。
チカはキッチンで湯を沸かしてたっぽいが、中々帰ってこない。

「コッチ来ないの?」

「……お茶、でもいい?」

「…緑茶?」

「…麦茶…」

「何でもいいけど、じゃ何で湯沸かした…?」

「コーヒー、淹れようと思ったんどけど…切らしてて…」

立ち上がってチカのとこに行くと、インスタントコーヒーのボトルがある。

「あるじゃん」

「や、コレは、違くて…」

「?」

「だって…高塚さんにインスタントなんて飲ませるワケには…」

「何で」

「え?だって…」

「だって?」

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