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50センチの距離
第12章 ティラミス
学生の時は…学食もあったけど、高い割にそんな美味しくもなくて、ほぼほぼコンビニのお世話になってたのになぁ。
学校の周りにいくつかコンビニがあったっていうのもあるけど、飽きたとか感じなかった。

高塚さんの料理を食べるようになって舌が肥えたのかな。
だって本当に美味しいんだもん。
村上さんが言ってた神戸の老舗イタリアンレストラン、調べたら結構お高くて。行くには中々勇気のいるお店だったけど、もし高塚さんがそこで働いてたんだとしたら…てか、社内で美味しいお店を聞くなら村上さん、と先輩方まで頼ってくる、営業部イチグルメな村上さんが味がそっくりっていうんだから、多分間違いないと思うんだけど。その味が会社の近所でお手軽に味わえるなんて、ものすごい贅沢なことなんじゃないか、って気がする。
値段も良心的だし。
それを考えると、私にombrage断ちは出来そうになかった。

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