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SMを詰め込んだ短編集
第9章 アリスと女王/奴隷(+純愛)
どれくらい時間が経ったのでしょう。鈴はベッドの上で目を覚ましました。
体を起こすとあちこち痛みます。男性の姿はありませんでした。
体の痺れはもう残っていないようで、動かすことができました。
早くここから逃げなきゃ…!
急いでベッドから降り、一歩踏み出しました。
とろりと足の間に温かな液体が零れました。
それは大量に注がれた男性の精液でした。
こんな、こんなことって…
泣き出したくなるのを堪えて、鈴は走り出しました。
南へ南へと進んでいたつもりでしたが、はたと足を止めました。
そういえば、おかしいのです。
鈴はあの帽子の男性に犯され、その後ベッドで眠っていました。多分、すごく深い眠りにつき、随分時間が経っているはずなのです。
なのに、太陽の位置が変わっていませんでした。
南って、こっちのはず…?
赤い屋根の家を背中にして走ってきたから、あっているはず…
あれ、あのお家、見つけたときは右にあったっけ?それとも左…?
さっと血の気が引きました。
もしかしたら今来た道は、南に向かっていないかもしれない…
へなへなとその場に座り込んでしまいました。
知らない場所で、迷子…
それも人を、蓮を待たせている…
鈴はあの美しい男性──蓮の優しい眼差しを思い出しました。
一目で好きになったと、あの時はっきりと自覚をしたのです。だからこそ蓮を信用したいのです。きっと蓮は待っていてくれる…助けてくれると言っていた蓮を。蓮に、会いたい。
体を起こすとあちこち痛みます。男性の姿はありませんでした。
体の痺れはもう残っていないようで、動かすことができました。
早くここから逃げなきゃ…!
急いでベッドから降り、一歩踏み出しました。
とろりと足の間に温かな液体が零れました。
それは大量に注がれた男性の精液でした。
こんな、こんなことって…
泣き出したくなるのを堪えて、鈴は走り出しました。
南へ南へと進んでいたつもりでしたが、はたと足を止めました。
そういえば、おかしいのです。
鈴はあの帽子の男性に犯され、その後ベッドで眠っていました。多分、すごく深い眠りにつき、随分時間が経っているはずなのです。
なのに、太陽の位置が変わっていませんでした。
南って、こっちのはず…?
赤い屋根の家を背中にして走ってきたから、あっているはず…
あれ、あのお家、見つけたときは右にあったっけ?それとも左…?
さっと血の気が引きました。
もしかしたら今来た道は、南に向かっていないかもしれない…
へなへなとその場に座り込んでしまいました。
知らない場所で、迷子…
それも人を、蓮を待たせている…
鈴はあの美しい男性──蓮の優しい眼差しを思い出しました。
一目で好きになったと、あの時はっきりと自覚をしたのです。だからこそ蓮を信用したいのです。きっと蓮は待っていてくれる…助けてくれると言っていた蓮を。蓮に、会いたい。