この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SMを詰め込んだ短編集
第9章 アリスと女王/奴隷(+純愛)
嘘だったとしても、それだけは否定したくない。
蓮にしがみ付いて泣きました。
「鈴、聞いて。あれは罠だ。僕はハートの女王を知っている。あの人がまだ“アリス”だったころ、ひとりの憲兵に恋をした。叶わなかったが、それでも彼を否定することが出来なかった。それでその結果…その憲兵には一度も会えていないし、彼女は“ハートの女王”になったんだ。いいかい、鈴。一度でも肯定の言葉を口にすれば、彼女の代わりに鈴が“ハートの女王”になる。彼女は気の毒だが、僕は、鈴にそうなってほしくない」
ね?と儚く笑う蓮に、鈴はただ涙を流しました。
「さっき、扉の外で約束しただろ。僕を信じて、鈴」
「答えは?」
話の途中だというのに痺れを切らしたその人は、高圧的な声で急かしました。
唇をぎゅっと結び、そして一度大きく息を吐き出して、それから鈴はまっすぐにその人を強く見つめました。
「いいえ。」
蓮にしがみ付いて泣きました。
「鈴、聞いて。あれは罠だ。僕はハートの女王を知っている。あの人がまだ“アリス”だったころ、ひとりの憲兵に恋をした。叶わなかったが、それでも彼を否定することが出来なかった。それでその結果…その憲兵には一度も会えていないし、彼女は“ハートの女王”になったんだ。いいかい、鈴。一度でも肯定の言葉を口にすれば、彼女の代わりに鈴が“ハートの女王”になる。彼女は気の毒だが、僕は、鈴にそうなってほしくない」
ね?と儚く笑う蓮に、鈴はただ涙を流しました。
「さっき、扉の外で約束しただろ。僕を信じて、鈴」
「答えは?」
話の途中だというのに痺れを切らしたその人は、高圧的な声で急かしました。
唇をぎゅっと結び、そして一度大きく息を吐き出して、それから鈴はまっすぐにその人を強く見つめました。
「いいえ。」