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SMを詰め込んだ短編集
第12章 ガラスの靴がなくとも/奴隷・純愛
「んっ…あぁっ!」
「あはは。なんてかわいいんだろ。ねぇ兄さん?」
「そうだな。やっぱり鈴には赤が似合うよ」

屋根裏部屋の梁を利用し、万歳の形で吊るされた。
同じく向こうの梁から反対側の梁にも細くて真っ赤な縄を通される。それは、吊るされたわたしの足の間を通っている。
腕と、股の間の縄だけに支えられ、善がるわたしを見てふたりの兄たちは笑っていた。


母が病死してから2年後に、父が後妻を娶った。わたしのことを大変に可愛がってくれた義母だったが、ふたりの義兄を残して他界してしまった。城下で事故に巻き込まれたそうだ。
悲しみに暮れるわたしに、義兄たちは昼夜を問わずに励ましてくれた。わたしはそんな優しい義兄たちが大好きだった。
頭を撫で、キスをしてくれた義兄たちの行為がエスカレートしていったのは、いつも優しくしてくれる義兄たちにお礼の意味を込めてキスを送ったあたりだったと思う。
舌を舐め上げられるキスを覚えた。
体を弄られ、義兄の硬く滾った男根を握るように指示され、精液の味を覚えた。
わたしの体を木のような男根に貫かれたのは、それから間もなくだった。
それもエスカレートしていき、今では梁に吊るされ、股の間にきつく食い込んだ縄を前後に立った義兄たちに交互に引かれ、激しい快楽に溺れる体になってしまった。

それでも義兄たちを心の底から憎めないのは、彼らの優しさを知っているから。
自分でなんでもできるのに、着替えを手伝ってくれたり、スプーンでスープを飲ませてくれたり、遠い城下町まで行って、わたしが好きなクッキーを買ってきてくれたりと世話を焼いてくれている。
だからこんなに激しい責めにもじっと耐えた。

「あぁ鈴ったら…愛液が足首まで垂れてるじゃないか」
「仕方ないよ兄さん。鈴は淫乱で、股縄が大好きなんだから」

双子と言われても差し障りがないくらいにそっくりな義兄たち。
端正な顔立ちと穏やかな笑み。
美しいテノールは卑猥な言葉を乗せてわたしの耳に響く。

「縄を引いてやろう」
「そうだね。鈴は縄でおまんこを擦られるのが大好きだもんね?」

やめて…!
わたしの声は聞こえていないみたいだ。


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