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SMを詰め込んだ短編集
第12章 ガラスの靴がなくとも/奴隷・純愛
「ひゃんっ!」

突然、柔らかいものがそこに触れた。
びっくりして目を開けると、一番恥ずかしいところに蓮の顔。

「ま、待ってそんなところ!汚いからぁっああっ!」

ちゅぷり、ちゅく、と水音を立てて、一人より少し大きなクリトリスが蓮の舌に捕まった。
ちゅ、と吸われると、そこは意思を持ったようにどくどくと轟いて硬くなるのが分かる。
柔らかい舌が往復するたびに腰が揺れて、恥ずかしい声が浴室に反響した。

唇で挟み込んで扱かれると、自分でも驚くほど腰が揺れる。蓮の頭を掴んで、首を振って、自分じゃないみたいな声を響かせているのに、蓮はやめなかった。
震える膝は蓮の両手が支え、足を大きく開いたまま片手で蓮の頭を掴む。ちゅこちゅこ、じゅるりと水音が耳まで支配して、腰の震えが最高潮になった。

「まって、まってやだぁ蓮!蓮!」
「怖がるな。大丈夫だ。イけ」
「だめぇっ!待って!待って!」
「見ててやる。力抜け」

「ひっあああああっっ!!」

根元を甘噛みされ、舌で弾かれた。足が硬直し、意識とは無関係に腰がびくびくと痙攣し、頭が真っ白になる。

ぼんやりと目を開けると、自分の肩で口を拭う蓮と目が合った。

「気持ちよかったか?」

ゆっくりと首を縦に振る。

「こんな、」
「ん?」
「はじめて、気持ちいいって、思った…」


満足そうに蓮が笑った。








「これからゆっくり、覚えさせてやるからな」

そういってわたしを抱きしめてくれたとき、お腹に固いものが当たるのを感じた。

「…れん、」
「俺はいい。お前が恐怖を感じなくなるまで、いくらでも待つ」
「蓮、」
「俺は、お前が笑ってくれればそれでいい」

今は心が落ち着かなくて、どうしたらいいのか分からないけど、
だけどこれだけはわかる。

わたしも、蓮が笑ってくれたら、すごく嬉しいよ。

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