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SMを詰め込んだ短編集
第16章 私のかわいい双子たち/SM
「鈴、舌こっち」
「ねぇ鈴ちゃん、指舐めさせて」

日曜日の昼下がり。ぽかぽかと気持ちの良い冬晴れの日差しは、遮光カーテンによって完全に遮られていた。
おかしいな。あたしは双子のお母さんに頼まれて、ふたりの昼食を作りに来ていたはずなのに。大学生にもなって、全く手が掛かるんだから…悪いわね鈴ちゃん。なんて双子の母が笑いながら出かけて行った、あれはもしかして幻だったのだろうか。

「んっ…あっや、蓮音っ」
「んー?なんだよ誘ってんのは鈴だろ」
「蓮音ばっかじゃなくて僕にも構ってよ鈴ちゃん。ねぇ、指気持ちいい?鈴ちゃんの指美味しいよ」

持参したエプロンを着けてキッチンに立ったまでは良かった。小さい頃は天使のように愛らしかった双子は、高校に入ってからびっくりするほど背が伸びて、か細かった体躯は程よく筋肉がついた。大学生になってから更に磨きがかかり、息を呑むほど美しい青年に成長したその彼らに、見せたいものがあると部屋に招かれたのだった。

「もっ…ごはん作るために来たのっ…!」
「だってさ、紫音」
「ふふっ。鈴ちゃん、いつになったら学習するのかなぁ?それとも、分かってて来たのかなぁ?」

…完全に騙された。双子のキラキラした目を信用してしまった。もうこれで何度目になるだろう。紫音の言う通り、あたしは学習能力がないのかもしれない。
双子の部屋へ足を踏み入れた途端、蓮音に腰を抱かれてキスをされ、紫音がご丁寧に部屋の鍵を閉めたのだった。
あたしのほうが強かったはずの力は、今や彼らの片腕1本で簡単に纏められてしまう。いつからか見上げるほどになってしまった身長差では、こんなふうに前後から囲まれてしまわれては無抵抗に等しい。

「もっ…んんっ!やめっ…」
「やめて?嘘言えよ。本当は俺らとのセックス大好きだろ?」
「ちがっ…」
「違わないよね?鈴ちゃんいつもイきっぱなしになっちゃうでしょ?」

あたしの頬を大きな手ですっぽり包みながら、蓮音が唇をくっつけたまま笑う。後ろから抱きついてにこにこと懐っこい笑顔を向ける紫音は、あたしの指を飽くことなくしゃぶって、熱い息を吐いた。身長差がある分、紫音があたしの手を口元へと上げられると、まるで頭上で拘束されているみたいになってすごく恥ずかしい。
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