この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SMを詰め込んだ短編集
第17章 昔の男に貰った指輪してたら勿論彼に怒られた件!/SM
その時間に僅かな影を作ったのは、恭介さんだった。
「本当は心配していた」
「…え?」
「あまり側にいてやれないからな」
絡められた指は、不安そうにあたしの薬指の付け根を撫でる
「さっき言ったこと、本当ですよ?」
「そうだったら嬉しいが」
「本当ですって!」
ムキになって言うあたしの体ごと、広い胸に閉じ込められた。彼は相変わらず笑っている。
「分かった。信じよう」
「ほんとですからね!」
たった今閉じ込められていた、やさしくて温かい胸からがばりと起き上がり、ほとんど馬乗りみたいに恭介さんの肩のあたりに両手を付いた。そうして息を飲んだ。
彼は、うっとりと目を細め、慈愛に満ちた目をしていた。
「優菜」
そっと伸ばされた大きな手のひらは、あたしの頬をそっと包む。炭みたいに黒い夜空よりも、烏の羽よりも黒くてきれいな髪をシーツに散らし、そうして三日月を作った。
「俺も、お前だけが好きだ」
さっきあたしが必死に言った言葉を繰り返す。
思わず飛びつくみたいなキスをしてしまったあたしに、今度はしっかり応えてくれた。
「本当は心配していた」
「…え?」
「あまり側にいてやれないからな」
絡められた指は、不安そうにあたしの薬指の付け根を撫でる
「さっき言ったこと、本当ですよ?」
「そうだったら嬉しいが」
「本当ですって!」
ムキになって言うあたしの体ごと、広い胸に閉じ込められた。彼は相変わらず笑っている。
「分かった。信じよう」
「ほんとですからね!」
たった今閉じ込められていた、やさしくて温かい胸からがばりと起き上がり、ほとんど馬乗りみたいに恭介さんの肩のあたりに両手を付いた。そうして息を飲んだ。
彼は、うっとりと目を細め、慈愛に満ちた目をしていた。
「優菜」
そっと伸ばされた大きな手のひらは、あたしの頬をそっと包む。炭みたいに黒い夜空よりも、烏の羽よりも黒くてきれいな髪をシーツに散らし、そうして三日月を作った。
「俺も、お前だけが好きだ」
さっきあたしが必死に言った言葉を繰り返す。
思わず飛びつくみたいなキスをしてしまったあたしに、今度はしっかり応えてくれた。