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SMを詰め込んだ短編集
第4章 兄とあたしの蜜事/SM
「ではこの案はこのようにしていきます。続いて部の予算案ですが…」
「待ってください、先に文化祭のことで」
右手で自分の口を押さえ、息を殺す。
むっとする真四角で真っ暗の空間の中、必死に声を抑えていた。
「ところで後夜祭のキャンプファイアーは今年から禁止にしたはずだが、この予算はなんだ?」
頭上から冷えた声が空間を劈いた。見えてはいないけど、そこにいた人たち全員の背筋が伸びたような気がした。んん!と思わず声が漏れる。
私は今、生徒会室で息を殺している。生徒会長のスチール机の下で足を開き、膝を震わせていた。
開いた足の間を生徒会長の長い脚が靴のまま踏みつけている。
声を出すな。絶対に気が付かれるな。見つかった時お前はどうなるか分かっているな?
あたしにそう言ってこのスチール机の死角に閉じ込めたのは生徒会長──私の腹違いのお兄ちゃん。
成績優秀、スポーツもそこそこ。端正な顔立ちとすらりと伸びた長い手足。人よりも4つ5つ先のことを考えて、生徒会長の名に恥じない仕事ぶり。教師からの信頼も厚く、母は自慢の息子だと近所中に自慢して歩いている。ただお兄ちゃんは他人に対して少し冷徹なところがあり、俗にいう近寄りがたい人種だった。
そんなお兄ちゃんがあたしにこんなことをするようになったのは、両親が仕事で海外へ赴任してすぐだった。
お前が好きだ─あの冷徹な人が泣きそうな顔をしてあたしの肩を掴んだ。
それから体を重ね、あたしたちは愛し合った…はずだった。
「待ってください、先に文化祭のことで」
右手で自分の口を押さえ、息を殺す。
むっとする真四角で真っ暗の空間の中、必死に声を抑えていた。
「ところで後夜祭のキャンプファイアーは今年から禁止にしたはずだが、この予算はなんだ?」
頭上から冷えた声が空間を劈いた。見えてはいないけど、そこにいた人たち全員の背筋が伸びたような気がした。んん!と思わず声が漏れる。
私は今、生徒会室で息を殺している。生徒会長のスチール机の下で足を開き、膝を震わせていた。
開いた足の間を生徒会長の長い脚が靴のまま踏みつけている。
声を出すな。絶対に気が付かれるな。見つかった時お前はどうなるか分かっているな?
あたしにそう言ってこのスチール机の死角に閉じ込めたのは生徒会長──私の腹違いのお兄ちゃん。
成績優秀、スポーツもそこそこ。端正な顔立ちとすらりと伸びた長い手足。人よりも4つ5つ先のことを考えて、生徒会長の名に恥じない仕事ぶり。教師からの信頼も厚く、母は自慢の息子だと近所中に自慢して歩いている。ただお兄ちゃんは他人に対して少し冷徹なところがあり、俗にいう近寄りがたい人種だった。
そんなお兄ちゃんがあたしにこんなことをするようになったのは、両親が仕事で海外へ赴任してすぐだった。
お前が好きだ─あの冷徹な人が泣きそうな顔をしてあたしの肩を掴んだ。
それから体を重ね、あたしたちは愛し合った…はずだった。