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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……

「分かりました……」
疑問を浮かべる私は眉をひそめて不本意ながら返事をする。
お盆休みの半分はソラ先輩が海外に行くからひとりで過ごす予定だった。
でも行って来いと言うなら二、三日泊まって理人さんの弟と妹と遊んであげよう。
不安になりながらひとりでいるよりもいい……――――
八月中旬。お盆休みに入り、ソラ先輩が海外に向かう日がやって来た。
右手の痺れ具合は相変わらず治る気配はないけれど、体調の方はいいらしい。
鍛えていた左手に慣れてきたみたいで以前より不自由なくこなしているのが唯一安心する点。
それでも私は前日の夜になかなか寝付けなかった。
たった五日間だけど、ソラ先輩がまた遠い場所へ行ってしまうと思うととても寂しくて心が落ち着かなかった。
一緒にいられる時間を延ばすため、空港までついて行って見送りをする。
「薬は持ちましたか?スマホもちゃんと持ってます?」

