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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

「まぁ、乙羽にできるのはあれだ……。愚痴を聞いてあげたり、息抜きをさせてあげた方がいいな」
この言い方。
ソラ先輩の悩みを課長は何か知っているような気がする。
でも私に話さずコーヒーを注いだマグカップを持って仕事場へとさっさと戻って行った。
そのことが引っ掛かって夜にソラ先輩と会った時に様子を観察してみる。
疲れている感じはするけど悩んでいるようには見えない……。
話したくないことを聞き出すのはいけない気がしてそっとしておくことにした。
土曜日の朝。ソラ先輩が会わせたい人と会う時が近づいてきて起きてからドキドキしていた。
「ひゃああ!ううっ……、やっちゃったー……」
しかも朝ご飯を作っていると卵を落として大声を出してしまった。
その様子を冷静に見ていたソラ先輩がキッチンペーパーを片手にやって来て卵を落とした床を拭いてくれる。
「あー……、やっちゃたね。もしかして緊張してるの?」

