この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

どうして行方が知れなかった両親が祖父の家にいるのか分からない。
しかも捨てられたと思っていたのに、捨てていないと言われて頭の中がぐちゃぐちゃだ。
「あなたが三歳の時にわたしが家を出たのは聞かされているかしら」
「それは聞きました。私が浮気相手の子供だから捨てて逃げたって……」
言ったあとにその浮気相手である父に視線を向けた。
黙っていてどんな人なのかまだ分からないけど祖父よりも威厳はなさそうに見える。
「前の夫と離婚する時、風子を連れて行きたかったんだけどお金がなかったの。戻れる家もないから親権を取ることが難しかったのよ」
「…………」
「働いてお金も稼いで今の夫と結婚して、安定した生活を送っていけそうになった時に迎えに行こうとしたけれどその時はもう遅くて……。
元夫が再婚した女の人に風子が懐いていたみたいだから諦めるしかなかった」

