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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

祖父が二人の行方を探そうとしていたようだけど連絡が取れなかったはず……。
どう考えても私がここにいることを教える手段がなかった。
しかし、この質問に母は首を傾げる。
「隣にいる彼に聞いていないのかしら?」
私の隣に座っているのはひとりしかいない。
その彼であるソラ先輩の方に顔を向けると、わざとらしく余所の方に目線を移していた。
「…………」
どういう事なのか説明して欲しいと強い視線を送って問い詰めても何も答えない。
「彼が教えてくれたのよ。私たちを探して日本からわざわざ会いに来てくれたから驚いたわ。
風子の恋人だって言うから余計に目を丸くしたけどね」
日本から……っということは海外に行ったという事になる。
この話が終わったらソラ先輩に詳しく聞く必要がありそうだ。
「事情も聞いたけどお義父さんに跡継ぎのことを迫られて大変だったようね……」

