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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

「そうだったんですね……。父と母と話をしていた時に私は完全に信じることはできませんけど、それを聞いて安心しました」
これなら祖父だけでなく、理人さんたちのことも安心して任せておけそうだ。
「お爺さんに将棋で勝てたのも、フランスに行った時に風子のお父さんに戦法を教えてもらったからなんだ。
十五年以上会っていない相手に勝っていた戦法だったからこの方法を取るのも賭けだった」
「博打だったんですか!?……負けたら大変なことになっていたんですね」
「負けても借金のことを出しにして奪っていくつもりだったよ」
よくソラ先輩のことを怖い人だと言われているのを聞くけどその意味が分かった気がする。
でも私はふふっと笑った。
適当に歩いて向かった先にベンチがあったからそこに座って休む。
私のすぐ隣に腰掛けてきたソラ先輩を見て話を続けた。
「借金がないことは乙羽家に行ったから分かったんですか?」

