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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

帰ってからじとじとしていた服を脱いでシャワーを浴びて温まる。
雨に濡れて帰るといつも疲労感があったけど、今日は肩の荷が下りたからなのか体が軽かった。
髪を乾かしてからリビングに行くと、ソラ先輩はソファに座って難しそうな本を読んでいた。
その隣に私は腰を下ろして寄り掛かる。
悪戯されたのをやり返すようにいつもより体重を掛けてやった。
「スッキリした?」
「はい。いろいろと」
「……それなら良かった」
「ずっと悩んでいたことがなくなってなんだか目の前が変わって見えます。
でも私は自分の血の繋がった両親ではなくて、ソラ先輩の家族を紹介してもらえるのかと思ってました。だからすごく緊張していたんですよ」
そう言うとソラ先輩は読んでいた本をぱたんっと閉じた。

