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愛おしいキミに極甘な林檎を
第5章 本物の愛を探して…

唇が近づいてきた時、ドアの向こうで足音が聞こえてきて警戒するように瀬戸内さんに抱き締められた。


ドキドキしながら静かな時間が流れる。


抱き締められていても私は殆ど裸の状態。

恥ずかしさで体温が上がっていた。

早く着替えたい……。


足音が消え去った頃は私も泣き止んで、さっさと瀬戸内さんから身体を離した。


「最初から結婚相手を僕にしておけばこんなことにはならなかったんですよ」

「…………。結婚相手くらい自分で決めようと思います」


すると瀬戸内さんは小さな溜息をついてから微笑んだ。

「分かりました。僕の方から千十郎様にこのふざけた見合いのこととお嬢様のその意思をお伝えしておきます」


「大体、自分が好きになった人以外とは結婚したくないです」

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