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愛おしいキミに極甘な林檎を
第5章 本物の愛を探して…

「僕が叶えてみせますよ……。とにかく、こんな下劣なことを企むあなたにお嬢様を任せておけません!この見合いも中止とさせて頂きます」
「っ……!せっかくジジイから仲介料をがっつり頂こうと思ったのに理人くんのせいで台無しじゃない!」
機嫌を悪くする嵐谷さんを余所に、見合いをしていた場所から遠く離れた部屋に連れて行かれた。
「大丈夫ですか?お嬢様」
「はい、大丈夫です……。ありがとうございます……」
私と瀬戸内さん以外は誰もいなくて肩をなでおろす。
それでも涙が零れ落ちてきて止まらなかった。
怖いと言うよりも多少はあるけれど、昨日から驚きの連続で精神的に不安定になっていたようだ。
冷えた手で涙を拭っていると瀬戸内さんがジャケットを掛け直してくれた。
肩に触れる指先が擽ったくて私は目をぎゅっと閉じる。
「お嬢様……」

