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愛おしいキミに極甘な林檎を
第40章 婚約者として……


うそ……。


エレベーターまで続いている通路でソラ先輩が倒れていた。


そこは玄関から歩いて十歩もないところだった。


私が仕事に行く三十分ほど前にいつも出て行くから、そのくらい前から倒れていたんだと考えられる。



恐れていたけど、今日も無事に帰ってくると信じていたから見た瞬間思考がフリーズする。



心がざわつき出しながらも急いで駆け寄って体に触れる。



「ソラ先輩!しっかりしてください!」



熱いのは変わりない。



でも体を揺さぶってもトントンッと背中を叩いても反応がなかった。



「せめて目を開けてください……!」



何度揺さぶっても指先でさえピクリとも動かない。



意識がないから早く救急車を呼ばないといけないのに、大切な人が倒れている状況を前にどうすればいいのか頭が回らなかった。




嘘だ……。


こんなのって……。



こんなことになるなんて……。



「っ……、やだ……。ううっ……、ソラ先輩……――――」



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