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愛おしいキミに極甘な林檎を
第40章 婚約者として……

「……行ってきます」
玄関のドアを閉められてソラ先輩の姿が少しずつ見えなくなっていく。
止めたいのに、止めても無駄だと分かっているから手を伸ばすことを諦めていた。
ドアがパタンッと閉まる音が虚しく聞こえる。
肩を落としながら窓がなくて光が差し込まない暗い玄関で私はしばらく立ち尽した。
ここだけは合わない……。
他の部分が合っているからこそ、合わない部分が見つかると大きな溝に見えた。
「ソラ先輩ったらもう……」
しょんぼりしながら朝食の片づけをして私も仕事に行く支度をした。
準備をしてから外に出て玄関のドアを鍵を閉める。
ドアノブを捻って鍵が掛かったことを確認してから会社へ向かおうと歩き出した時、待っていた光景にヒヤリとした。
「えっ……」

