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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

十一月上旬。あれから家に帰ると真っ暗な日が続いていた。
そんな中、血の繋がった母が誘ってくれて私は祖父の家に晩御飯を食べに行った。
「こっ…、これがフランスの家庭料理ですか……」
フォークで刺してから手料理を口に運び、あまりの美味しさに目がキラキラと輝く。
タルティフレットという料理でジャガイモとベーコンの上にのっているチーズは最高だった。
シンプルなのに美味しい。
小さい頃は食べていたんだろうけど、今の私にとってこれが母が作ってくれた初めての料理。
二度と味わう機会がないと思っていたから食べることができてとても嬉しかった。
もうひとつの家族との団欒を楽しんだ後、私は理人さんと話をすることにした。

