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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

「乙羽さんって花城課長と仲良いですよね。付き合ってるんですか?」
髪の毛を結い直していた手がピタリと止まる。
洗面台の鏡越しに鈴川さんに視線を移すと固い表情をしていた。
またそれか……。
殆どの人に勘違いされるから聞き飽きている。
「いえいえ、付き合ってませんよ。私はただの部下ですから」
「花城課長のことを好きだったりするんですか?」
「人としては好きですけど、恋愛感情はありません」
仕事中は結婚指輪以外をつけるのは禁止されているから指には何もつけていない。
ソラ先輩からもらった婚約指輪をつけていれるのならこんな時に疑われることはないんだろう。
「じゃあ……、これから好きになったりはしますか?」

