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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

さっさとファイルを片付けて外に出よう……。
あと一冊のファイルを戻せばこの部屋での仕事は終わる。
しまう場所を探してから足音を立てないように歩き、そこへと手を伸ばす。
でも最後に限って、しまう棚の位置が高い場所だった。
背伸びをしても届かなくて分厚いファイルの間に入ってくれない。
あともう少しなのに……。
かかとを上げて手を伸ばして格闘していると背後に課長がやって来て、私が入れようとしているファイルを押してくれた。
擦れる音を立てないようにゆっくりと間に入れていく。
手伝ってもらえて助かるけど、背中に触れているのは随分と久しぶりの温もり。
腰には課長の固くなったモノが当たっていて私の緊張感を増幅させる。

