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愛おしいキミに極甘な林檎を
第42章 獣欲と甘い果実



でもそれを除けば平和と言えば平和だ。

最近、昼になると課長が手作りのおかずを自慢してくる。



「乙羽、見てくれ。今日は瀬戸内くんからもらったレシピに書いてあった人参のソテーというものを作ってみた」


「わあー!人参も星型に切ってあってすごいです。課長は細かい作業が得意なんですね」


料理も日々上達しているから、理人さんの指導の結果を見るのが楽しみになっていた。



「やっぱり花城課長と乙羽さんってできてますよね?怪しいと思ってました。やたらと仲が良いですし」


「おれ、この前見たよ。休日に駅前で乙羽さんが課長と別れるところ。

乙羽さんに彼氏がいるとか聞いてましたが、本当は課長と付き合っているんですよね?」


疑ってくる陸田さんと鈴川さんを前に私と課長は顔を見合わせてから笑った。



「ただの上司と部下だ。乙羽には大切な恋人がいる」


「そうです。私には愛している人がいますから」



離れている時間も私たちの心はひとつだからいつでも一緒ですよね、ソラ先輩――――


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