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愛おしいキミに極甘な林檎を
第43章 これからもあなたと一緒に……

「……ありがとう。風子」
優しい微笑みを私に向けてそう言ってから、紙皿に置いたりんごを手に取って食べてくれた。
噛んだ時にシャキッと音がしてまだ果実の歯ごたえがあるようだった。
食べているところを見ていると元気そうで、私も笑顔になってくる。
「毎日りんごを食べてもらってますけどよく飽きませんね、ソラ先輩」
「うん。好きだから。風子が剥いてくれるからすごく美味しいのもあると思う」
ソラ先輩が倒れて入院してから、仕事が終わってから面会終了時間までが会える時間となっていた。
僅かな時間だけど、顔をひと目でも見るために毎日通っている。
「特に好きな物が分からなかったのでいいきっかけになりました。頭のメモの中にソラ先輩の好きな物はりんごって書いておきましたから」

