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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶

「うん。もう熱も下がったし、良くなってきてる」
「そうか。仕事の方はどうするか塑羅緒次第だけど、右手の方は治る見込みもあるんだからリハビリをサボらずにやるんだぞ」
「分かってるよ」
治る可能性もあると聞いて引きつっていた顔の頬が緩む。
話を聞いているうちに少しずつ場の空気にも慣れていき、出してもらった紅茶を飲むことができた。
両親はソラ先輩のことをしっかり見ているようだし、昴くんも尊敬の眼差しで見ている。
こんなに仲の良い温かい家族なのに、どうしてソラ先輩が私に会わせたくなかったのか不思議だ。
和んでいる時、ソラ先輩の父の携帯電話が鳴った。
「おっと電話だ。……はいはい、了解。……話の途中で悪いけど、これから仕事が入った」

