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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶

「この子が塑羅緒と結婚する風子ちゃんですよ、お義母さん」
お義母さんという事はソラ先輩の祖母にあたる人……。
再び緊張し始めた私は急いでお辞儀をした。
「はっ、初めまして。お邪魔してます」
「あなた、どのくらいの規模の会社で仕事をしてるの?それともどこかの会社のご息女様かしら」
「えっと……、中小企業の会社員をしていて一般家庭です……」
「ご両親は何をしている人なの?片親?」
「父は会社員で母はパートです。……義理の親ですが」
誇れる点が一つもなくて怯えながら答えると、ソラ先輩の祖母は眉にしわを寄せて更に不機嫌になったように見えた。
「塑羅くん、こんな問題のある子を連れてきておばあちゃんはガッカリしたわよ。しっかりしたご家庭で育った女性を選びなさいと教えてきたわよね?
この前にお見合いを勧めたご息女さんの方がいいってあれほど言ったじゃない」
こっ…、怖い……。
朗々とした口調で否定されて私は身の縮む思いで俯いた。

