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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶

「大ありです。もう大人なんだから世間帯を考えなさい。おばあちゃんとおじいちゃんはね、塑羅くんの将来を考えてお見合いを紹介していたのよ」
「俺の将来のためではなく、お爺様とお婆様の立場を守るためではないですか。
それにこの結婚はもう決まったことですので口出ししないでください」
「いいえ、良い育ちをしていない子との結婚は反対します。よく考え直しなさい」
「話になりません。……疲れているので今日は失礼します」
苛立つように言って立ち上がったソラ先輩は私の手を引き、別の部屋へと連れて行ってくれた。
ベッドと机と本棚があるシンプルな部屋。
いつも読んでいるような難しそうな本が並んでいたからここはソラ先輩の部屋のように思えた。
それ以上じっくりと見渡す暇もなく、急に強く抱き締められて私は目をぱちくりとする。
「嫌な思いをさせてごめん……」

