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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

他所からどう思われているなんて気にしていなかったけど、そんな風に思われていたなんて予想外だ。
愛に飢えていた頃に欲しかった優しさが僅かに残っていた傷口に沁みる。
「社会人になってからお互いに色々とありましたから……」
「血の繋がったお爺さんのとこの跡継ぎ問題は大変だったみたいだな」
「あはは……、まあ……。でも嘘の余命を聞いてから、当たり前だったものが変わって見えるようになりました。
ソラ先輩と一緒にいる時間を一分一秒でも大切にしようって思いましたし、弱い自分ではできなかった覚悟をできるくらい強くなれたと思います」
でもソラ先輩のおかげで覚悟をした茨の道には行かずに済んだけど。
「ただの泣き虫だったのにな。おまえと塑羅緒はオレを置いてどんどん変わっていく……。
高校生の頃に塑羅緒を見返してやろうと思って風子を奪ったツケが回ってきたってことか」
「どういう事ですかそれ……。まさかソラ先輩に負けたくなくて私と付き合ったとか……?」

