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愛おしいキミに極甘な林檎を
第46章 主従関係



「……忘れてないよ」


湯船のお湯がちゃぷんと小さく音を立てる。


ソラ先輩は私の身体をぴたりとくっつくほど抱き寄せて、私の横が顔を覗いてきた。



「なんでも叶えてくれるんだよね?」


身体を優しく包む腕に両手で触れた私はその温もりに浸るために頬をつけて目を閉じる。


「私ができることならどんなお願いでも叶えますよ。多少無理することでも構いません」


蛇口から湯船へ水滴がポタンと垂れる音が二回ほど聞こえた後、抱き締められる力が少し強くなったように感じた。



「俺が風子の夫になった時のことなんだけど……」


「はい」



「さっきのように名前で呼んで欲しいな」


「えっ……。先輩ではなく、さん付けでですか……?」


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