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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱

「フッ、彼氏が…ですか……。お姉さんにとって、さぞかしいい彼氏のようですね」
鼻で笑われてから皮肉まじりに言われてしまうほど、惚気けてしまっていたようで恥ずかしくなる。
でも本当にそう思っているからこそ嘘をつきづらい。
「色々ありましたけど、何があっても今の彼氏が好きなんです。雪原さんも彼女と付き合いが長いなら色々と思い出がありませんか?」
「ないですよ。どうでもいい女となんて……」
「そう…ですか……」
他人事だけど話を聞いているとなんだか悲しくなってくる。
どうしてそうなったのか理由を聞いてみたかったけど、ただの隣人が深入りするのも悪いような気がしてこれ以上こちらから何も聞かないことにした。
コートの袖を伸ばして手を入れて縮こまっていると、雪原さんがごほんっとつらそうな咳をしていた。
「もしかして風邪を引いているんですか?帰ったらちゃんと温まってくださいね」
「治りかけなんです……。今、すごく寒いから……お姉さんにくっついていいですか?」

