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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱



「はあ……。それはどうも……」


可愛くないと言われるよりは嬉しい。でもナンパされてるみたいで複雑だ。

彼女がいるみたいだからそれはないだろうけど。


いまいち掴みどころのない人でなんだか調子が狂ってしまう。



「そこまで彼氏が好きだということは別れる気はないってことですよね?」


「もちろん微塵もないですけど……」



「……そうですか。あっ…、電気がつきましたね……」


照明が点いてからエレベーターが動き出して降りる階に向かって上がっていく。

これで寒い密室に二人きりでいる時間も終わりでホッとする。



エレベーターを降りて雪原さんの部屋の前まで行くと、貸していたコートを今度は肩の上にかけられた。



「コートありがとうございました。温かかったです……」


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