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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱



マグカップが置いてある棚の近くをうろつきながらしばらく買うか悩んだ。


迷っていたせいで帰るのがいつもより少し遅くなってしまった。



私の方がソラ先輩より帰るのが遅かったりして。


そんなことを思いながらマンションの通路を歩いていると、すれ違った大人の女にドンッと肩をぶつけられる。



「すっ、すみません!」


反射的に謝ると、女は何も言わずに会釈をしてからエレベーターの方へさっさと歩いて行く。



謝った時に見えたけど、女の顔や首元には紫色のアザができていて痛々しそうだった。


病気にしてはおかしいから、彼氏と喧嘩したんだろうか……。


DVをするなんて酷いことをする男がいるものだ。



気を取り直して歩き出そうとした時、玄関のドアがゆっくりと閉まる部屋を見掛けた。


時間経過から考えると、恐らくそこから女が出てきたことになる。




あそこは……新くんの部屋だ――――


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