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愛おしいキミに極甘な林檎を
第49章 揺らぐ未来、そして……

まるで私と話をするために二人っきりになるチャンスを作ったようだった。
気を使わせて悪い気がした私は暖かいお湯に浸かっている足を少し動かしながら俯く。
「……実は彼氏が冷たくなってしまったんです」
相談できる人がいなくて誰にも話していなかったことを口に出した。
一人でモヤモヤしているよりはずっといい。
深呼吸してから新くんと出会ったことから順に話していく。
でも婚約を破棄しようとしていることは言いにくくて話せなかった。
「つまり、嫌われちゃったかもしれないって思ってるのね」
「はい……。今まで何日もこんな態度を取られたことはなかったので、約束を破った私にもうんざりしちゃったのかなって……」
「そんなことで他の男に走ったら那砂は許さないから」
「他の男になんて走りませんよ!頭の中が彼氏のことでいっぱいで、他の事にも手がつかなくて悲しくなってきますけど……」

