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愛おしいキミに極甘な林檎を
第49章 揺らぐ未来、そして……

お湯の中で伸ばした足を見ながら指を組んだ。
血の巡りが良くなってぽかぽかと温まってくるのに、心だけは冷たいまま……。
「……風子ちゃん、あんたはもうそんなにグズグズするほど弱くないでしょ」
「えっ……」
「アタシはね、今まで風子ちゃんのことを何度も試してきたから」
いつにも増して真面目な声のトーンで那砂さんがそう言っていて珍しく思えた。
「ただ意地悪をしていただけじゃないんですか?……私が理人さんを奪うかもしれないからって」
「理人くんが一番の理由じゃないわ。颯太くんに頼まれて試していたことなの。今まで風子ちゃんにしたことは那砂が考えたけどね」
「颯太に!?」

