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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

消え入るように言ったソラ先輩の方に体を向けてみると、とても寂しそうな顔をしていて瞳が潤んでいた。
「泣いてるんですか?」
「泣いてないよ」
「強がりですね……。大人でも私の前では泣いていいんですよ。素直に生きて欲しいです」
目尻から涙を一粒落とすから私の方まで我慢できずに泣きたくなってくる。
でもここはぐっと堪えて、慰めるべくソラ先輩の頬に手を当てて撫でた。
触れながら見つめていると、私の温もりで安心してくれたのかソラ先輩は目を細めて口角を上げてくれた。
「ありがとう。風子は優しいね……」
「ソラ先輩には負けてしまいます。どうして私に嫌いになって欲しかったんですか?
冷めてしまったとか言わないですよね……?」

