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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

課長からソラ先輩の名前が出て、ふと疑問に思って念のため問う。
昨日見た夢では課長に何か頼んでいたようだったから気になる。
でもたかが夢だし、勘がいいわけでもないから予知夢とは限らない。
湯気が立ち上るコーヒーを味わうように飲んでいる課長をじっと見て返事を待った。
すると二ッと笑って自由に食べていいお菓子を二つ手に取り、一つは私に渡してくれた。
「ああ、頼まれているぞ。乙羽のことをな」
安心していたところで出てきた夢と同じ話。
答えを聞いた瞬間、ゾクリとして鳥肌が立ってしまいそうな感覚が襲ってきた。
「はい……?私の何を――――」
「あ、課長!こんなところにいたんですか。課長宛ての電話が掛かってきたので今すぐ出てください」
「今行く。乙羽は朝から忙しそうだったから、もう少し休憩していてもいいぞ」
同僚が呼びに来て課長がいなくなってからも、コーヒーが入ったマグカップを持ちながら私は立ち尽くしていた。
この先の未来があの夢のように向かっているような気がして……――――

