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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「乙羽の自慢の上司か……。それは嬉しいな」
笑顔が格段に上がっているからなかなかの好感触。
これで女友達のことを推せたことだろう。
女友達と課長がくっついて幸せになってくれれば私も嬉しい。
もし付き合ったのならダブルデートもできそうだし、恋愛相談にもしっかりと乗ってあげることもできる。
ひとりで手応えを感じている時、課長が私のコーヒーを淹れてくれたところだった。
香ばしくて少し苦みを感じる香りは飲むと大人の味がする。
それを課長はいつもミルクと砂糖多めに入れて渡してくれるから、あまりコーヒーを好んで飲まない私でも難なく飲めた。
「いい香りがします。コーヒーを淹れるのも上手だって女友達に言っておきますからね」
「はははっ、そこまで褒められると照れるな。乙羽に褒めてもらえるならもっと頑張りたくなる。……塑羅緒くんのためにもな」
「あの……、うちの彼氏になにか頼まれていたりしてませんよね?」

