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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「頭を打ったら大変なことになるから注意して歩くんだよ」
「子供じゃないんですからそれくらい分かってますって。もし頭を打って記憶がまたなくなってしまったらどうしますか?」
「俺の色にしっかりと染めて繋いでおく」
似たようなことを質問したことがあるけどその答えが聞きたくて言いたくなる。
歩きながら自然と握られた手のように、この先も私を離さず繋いでいて欲しい……。
今晩も寒いけどソラ先輩の隣を歩くと温かい。
ひとりで見ると明るい程度にしか思わないイルミネーションも今はロマンチックに見えた。
「そろそろクリスマスですね。今年は一緒に過ごせるのでとっても嬉しいです」
「去年の今の時期は、まだ海外出張に行っていた頃だったか……。風子はどんなクリスマスを過ごしていたの?」

