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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「何の予定もなかったので祖父の家で理人さんの弟と妹にクリスマスケーキを作っていましたよ。
後、飾りを一緒に作って二人にプレゼントを買ってあげて……ってそれくらいでしたかね」
「良かった……」
薄い白い息を吐きながら安心するように言ったソラ先輩を見て、あの時に特定の男とデートに行っていなくて良かったと今になって思う。
確か、去年の今頃はソラ先輩の代わりに課長のことを好きになっていた頃だ。
もし私が誘った食事を課長に断られていなかったらどうなっていたんだろう。
無事に付き合っていたのかな……。
そうなると海外から帰ってきたソラ先輩は……――――
…………。
ともかく結果オーライだ。
この事はソラ先輩に話さないで墓場まで持って行くつもりでいる。
「風子は毎年クリスマスを楽しみにしていただろ?だから可哀想な想いをさせてしまっているんじゃないかなってカレンダーを見て心配してた」

