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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

次の日も仕事が終わってからソラ先輩と合流すべく、会社の近くで待つことにした。
時間つぶしに本屋に行って料理本の立ち読みをする。
クリスマスになったらチキンの付け合わせに何を作ろうかな……。
そんなことを考えながら他の本を取ろうとした時、ふと店の入口を見ると知っている人と目が合って体に寒気が走る。
話し掛けられそうな気がして、急いで読んでいた本を戻し、遠回りをして外へと逃げた。
私が早歩きでその場を離れても、その人は後をついてくる。
何をするために私を追っているのかは分からない。
だけど関わったら危ないことだけは予想できた。
会社の裏口へ隠れようと思い、細い通路に入ろうとした時、急にバッグを引っ張られてから腕を掴まれて私は息もつけないほど驚く。
「ひゃっ……!?」

